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これで「国を守る」と言えるのか 防衛費微増もGDP比1%内に変わりなく

防衛費がGDP1%枠とは如何なる物か?

 

 

これで「国を守る」と言えるのか 防衛費微増もGDP比1%内に変わりなく…
2015.01.21
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150121/plt1501210830002-n1.htm


 2015年度予算案が閣議決定されたが、防衛費に対するメディアの報じ方が気になる。

 「防衛予算、3年連続増で過去最高額」「生活保護費は減額」「沖縄振興費5年ぶりのマイナス」

 これらの文字が並び、防衛重視・生活軽視のような印象を強力に押し出している紙面もある。言うまでもないことだが、「増額」「減額」というのは、相対的な言葉である。多すぎたものが減らされ、少なすぎたものが少し増えることは「健全化」と表現するのがふさわしいだろう。

 昨今の安全保障環境を鑑みれば、小笠原諸島におけるサンゴ密漁尖閣諸島をはじめとする離島防衛などを念頭にした態勢の充実であるとか、領海・領空の警備強化につながる予算をとりわけ手当てすることは至極当然であり、驚くことでも何でもない。

 むしろ、「よくここまで放置したものだ」というほうが適切かもしれない。それほど、わが国の防衛は後手に回っているのである。

  防衛費の増額は、もちろん対外的なメッセージとして有効であることは間違いない。それは「国を守る」という気概である。しかし、もっと言えば、わが国の主 権が脅かされる兆候はもっと以前からあった。それに対し、自衛隊の強化を訴えてきた人たちにとってみれば、10年遅れているというところだろう。「泥棒を 見て縄をなう」とはこのことで、国民が目に見える危機感を持ってからでは遅すぎるのだ。
もっと早く国が適切な将来予測と処置をしていれば、相手につけ入る隙を与えなかったかもしれず、実情とは合わないまでも派手に増やした感が演出されればむしろ他国に軍備拡張の口実を与えかねない。つまり煽るような報道は利敵行為に等しい。

  ちなみに、安倍晋三首相には野党時代に、夕刊フジ紙上でインタビューをした。首相は当時、自民党政権時代から10年以上も防衛費を削減し続けてしまったと 省みたうえで、「政権を取り返したら防衛費を増額したい」と明言した。安倍政権発足に伴い、防衛費が微増ではあるがプラスとなったことで、この時の言葉が リップサービスではなかったことが分かった。

 しかし、防衛費がGDP比1%内であることは変わりなく、これは世界でも150位くらいだといわれている。この縛りを見直すことで初めて、真に「健全」な防衛費に近付いたと言えるようになるのではないだろうか。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ)  1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストに。防衛・安全保障問題を取 材・執筆。著書に「日本に自衛隊がいてよかった」(産経新聞出版)、「武器輸出だけでは防衛産業は守れない」(並木書房)など。