【高橋昌之のとっておき】 スタートからつまずいた蓮舫・民進党 二重国籍問題にケリつけぬまま共産党と選挙協力を進めれば瓦解の危機も…

 

 

2016.9.23 01:00更新

【高橋昌之のとっておき】
スタートからつまずいた蓮舫民進党 二重国籍問題にケリつけぬまま共産党選挙協力を進めれば瓦解の危機も…

http://www.sankei.com/premium/news/160923/prm1609230005-n1.html

新代表に選ばれた2016年民進党臨時大会で「がんばろう三唱」をする同党の蓮舫代表=9月15日、東京都港区(福島範和撮影)

 

 15日の民進党代表選で、新代表に蓮舫前代表代行が選出されましたが、多難な船出となりました。その要因のひとつは、蓮舫氏が代表選期間中に台湾 籍とのいわゆる「二重国籍」問題で、説明が二転三転し、政治家としての信頼性を損なったことです。第二は幹事長に野田佳彦前首相を起用して反発を招き、人 事が混乱したことです。

 いずれも、蓮舫氏がまだ政党のトップとしての資質を持ち合わせていないことを物語っており、党内からは早くも「蓮 舫執行部は泥舟」と突き放した声が出ています。その情勢の中で、蓮舫氏が党の結束を保つための唯一の方策は、次期衆院選共産党との選挙協力を明確に否定 することだと私は考えますので、今回はそれをテーマに書きたいと思います。

 私は別に民進党を支持しているわけではありません。しかし、日 本の民主主義が健全なものになるには、与党のほかに政権交代可能な政党が必要だと思っています。民進党がそういう政党になることを目指すというなら、政権 選択の意味合いを持つ衆院選で理念も基本政策も異なる共産党とは選挙協力を絶対にすべきではありません。

 蓮舫氏は新代表選出後のあいさつ で、「与党に対して批判ではなく提案力で戦い、(有権者に)選択してもらえる政党にしたい」と述べ、民進党を「政権交代可能な政党」に立て直す考えを表明 しました。しかし、共産党との選挙協力についてはいまだに完全否定はしていません。そこに蓮舫氏の危うさがあります。

次に迎える国政選挙は、政権選択の意味合いを持つ衆院選です。少なくとも野党第一党民進党は与党の政策に対案を示し、有権者の審判を仰ぐべきで す。それをせず、民進党共産党との選挙協力という安易な道に進めば、「政権交代を目指す」という大目標と明らかに矛盾することになります。

  共産党は綱領に社会主義共産主義の実現を掲げ、安全保障では自衛隊の解消と日米安保条約の廃棄などをうたっています。民進党の綱領も明確とはいえません が、少なくとも政党の根幹であるべき目指す社会像や基本政策が全く異なっており、政権をともにできるはずがありません。その両党が衆院選で協力をすること は「野合」にほかならず、有権者から支持されることはないでしょう。

 7月の参院選1人区に続いて、次期衆院選でも民進党共産党と選挙協 力をすれば、必然的にその後も協力は続くことになります。それは野党が政権与党を批判するだけで、政権交代の可能性がない政治に逆戻りしてしまうことを意 味します。つまり、民進党が次期衆院選共産党と協力するかどうかは、日本政治史上、重大な意味をもっているわけです。

 民進党の新代表に就いた蓮舫氏はその決断をすることになります。自身の言葉通り、民進党政権交代可能な政党に立て直すというのであれば、答えは明白で、「衆院選では共産党選挙協力は行わない」ということを公式に宣言すればいいのです。

具体的には、次期衆院選共産党との間で候補者調整もしないし、推薦も受けないということです。さらにそれは完全でなければなりません。協力する選 挙区が多いか、少ないかということは意味がなく、たった一つの選挙区でも協力すれば「共産党と政権をともにするのか」ということが問われるからです。

 また、この宣言はいち早く出し、共産党とは協議さえも行わない方がいいと思います。というのは、共産党が次期衆院選での民進党との選挙協力に意欲を示しており、民進党内にもひそかにそれを望む声があるからです。

  民進党には平成26年12月の前回衆院選の選挙区で僅差で敗れた現職、元職がかなりいます。そのため、同党内には「共産党支持者の票が上積みされれば勝て るのではないか」という願望も少なくないのです。一方で、あくまで政権交代を目指す政党として、共産党との選挙協力には「絶対反対だ」という声もありま す。

 そうした中で、蓮舫氏が次期衆院選での共産党との選挙協力の是非を曖昧にし続ければ、党内で意見が対立し、分裂の危機に発展する可能 性も出てくるでしょう。衆院選はいつ行われるか分かりませんし、10月には東京10区と福岡6区で補欠選挙が行われます。共産党との選挙協力の是非を決断 するのに、時間的猶予はないのです。

 共産党が次期衆院選で、民進党など野党の共闘に意欲を示すのは、共産党候補者が単独で衆院選の選挙 区で勝利できる可能性はほとんどなく、自前の候補は擁立しなくても他の野党候補との共闘によって勝利できれば、自らの影響力を拡大できると考えているから にほかなりません。

 

2016.9.23 11:36更新

民進党蓮舫代表、次期衆院選共闘は「岡田克也前代表時代の合意踏襲」 野党4党首会談

http://www.sankei.com/politics/news/160923/plt1609230011-n1.html

野党党首会談に臨む(左から)沖縄の風の糸数慶子氏、生活の党と山本太郎となかまたち小沢一郎代表、民進党蓮舫代表、共産党志位和夫委員長、社民党又市征治幹事長=23日午前、国会内(斎藤良雄撮影)

 

民進、共産、生活、社民の野党4党は23日午前、国会内で党首会談を開いた。民進党蓮舫新代表にとって初の4党首会談となったが、次の衆院選の野 党共闘については、岡田克也前代表時代の4党合意を踏襲し「できる限り協力する」ことで一致した。衆院東京10区と福岡6区の両補欠選挙(10月23日投 開票)への対応は、4党の幹事長・書記局長間で協議する方針を確認した。

 4党首会談では、共産党志位和夫委員長らが、10月の両衆院補 選や次期衆院選について、速やかに選挙協力に向けた協議に入るよう提案。蓮舫氏は、野党間の選挙協力について「協力の具現化を加速する」とした5月19日 の野党4党首会談の合意を踏襲する考えを表明した。そのうえで「国会内外含めて連携を取れることがあるのか。これから具現化を図らせていただきたい」と述 べた。

 野党4党は引き続き幹事長・書記局長会談も開き、26日召集の臨時国会で最大の焦点となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、「拙速な議論や強引な審議は避ける」(民進党野田佳彦幹事長)ことで一致した。