仏エリート隊員、週刊紙の編集長らを救えず-乱射事件で犠牲に

仏エリート隊員、週刊紙の編集長らを救えず-乱射事件で犠牲に

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NHU0TF6K511Z01.html

  (ブルームバーグ):「シャルブ」というニックネームで知られていたジャーナリストが最後に発行した風刺画には次のようなキャプションが添えられてい た。「フランスではまだ攻撃は起きていない。いや待てよ!新年の願いは1月末まで続く」。この風刺画は7日、このジャーナリストが殺害される直前に発行さ れていた。

ステファヌ・シャルボニエというペンネームで知られるこの風刺画家は、フランスの週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ本社で他の11人と共に殺害された。シャルブ氏(47)は同紙の編集長を務めていた。

ニュースルームでの編集会議中にシャルブ氏の近くに座っていたのは専属の護衛で、脅威にさらされている人物を保護するフランス内務省特別部隊の隊員だった。この隊員も殺害された。氏名は公表されていない。

シャルブ氏は、同週刊紙がイスラム教の預言者ムハンマドを題材にした風刺画を掲載した2011年から警察当局の保護下にあった。この風刺画掲載後、パリにある同週刊紙のオフィスが夜間に爆弾を投げ付けられた。負傷者はいなかった。

革新的で反体制的なシャルリー・エブドについて、フランス人以外の人々に説明するのは容易ではない。宗教や性、死、政治など、同紙の風刺には際限がない。 しかしフランスでは、人々は同紙の読者であるかどうかにかかわらず、射殺された風刺画家たちの一部の作風を即座に認識することができるだろう。シャルブ氏 同様に、風刺画家たちは皆、ペンネームで親しまれていた。

事件は現地時間7日午前11時半(日本時間同午後7時半)ごろに発生。パリの閑静な通りにあるシャルリー・エブドのオフィスに複数の男が押し入り、2階のニュースルームでジャーナリストらのほか警察官や編集会議の出席者に自動小銃のAK47を乱射した。

シャルブ氏は12年、モロッコ誌「テル・ケル」とのインタビューで「私は無神論者であり、イスラム教を嫌っているわけではない」と語っていた。 

原題:Elite Security Guard Couldn’t Save French Cartoonists Killed (1)(抜粋)