沖縄県議会、ヘリパッド移設反対派の暴言列挙した自民党意見書案を反対多数で否決

 

 

2016.10.28 21:30更新

大阪府警機動隊員の差別的発言】
沖縄県議会、ヘリパッド移設反対派の暴言列挙した自民党意見書案を反対多数で否決

http://www.sankei.com/politics/news/161028/plt1610280041-n1.html

 

 沖縄県議会は28日の本会議で、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)移設工事の警備にあたる大阪府警機動隊員が工事反対派に「土人」と発言した問題をめぐり、自民党県議団提出の意見書案を反対多数で否決した。意見書案は、県警が聞き取った反対派による警察官への暴言を列挙し、不穏当な発言防止の徹底などを求める内容だった。

 意見書案をめぐっては、又吉清義県議(自民)が「お前の家は分かっている」「お前ら人殺しの子供は人殺しだ」「お前は心がゆがんでいるから顔もゆがんでいる」などといった警察官に対する反対派の発言を紹介。「こうした言葉が現場で飛び交っていることをぜひ知ってもらいたい」と賛同を求めた。これに対し、比嘉瑞己県議(共産)は「一部の反対派住民の言動をとらえ、抗議活動全てが過激かのように訴えるなど、差別発言をした警察権力を擁護している」「国策に抵抗する人々を敵視し、排除をしていく。戦前のような不穏な時代の空気を感じ、危機感を覚える」などと指摘して反対した。

 これに先立ち、県議会は「土人」発言を「沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじる」と抗議する決議と意見書を共産、社民両党を中心とする県政与党会派などの賛成多数で可決した。

採決された決議は県公安委員長と県警本部長に対し、意見書は国家公安委員長と警察庁長官に対し、「土人」は「未開・非文明」といった意味の差別用語として「県民の心に癒やしがたい深い傷を与えた」と指摘。沖縄戦や戦後の基地負担などに触れた上で再発防止を求めている。

 これに対し、自民党県議団は「なぜ反対住民と警察官のやり取りが県民への侮辱に発展するのか理解できない」と反発。議場を激しいヤジが飛び交い、議長が仲裁に入る場面もあった。

 政府は28日の閣議で「土人」発言問題について「極めて遺憾」とし、「(機動隊員に)『沖縄の人を見下していた』との認識はなかった」とする答弁書を決定した。民進党長妻昭厚生労働相質問主意書に答えた。