【産経抄】 能弁だが、立派な証人だったか 3月24日

 

能弁だが、尊敬するにはあたわず。と言う感想か。

偽装保守と言う評価が、立っている。余りにも早い野党4党との接触が

訝しく感じる。

 

土光敏夫氏の人となりと、その橘学苑が育てた人々を思う。

人を育てるのが学園の使命である。

 

 

2017.3.24 05:04更新

産経抄
能弁だが、立派な証人だったか 3月24日

http://www.sankei.com/column/news/170324/clm1703240003-n1.html

 

検事総長の伊藤栄樹さんの回想録に「立派な被疑者」として登場するのが、経団連会長を務めた土光敏夫さんである。土光さんは、石川島重工業の社長の時、造船疑獄に連座して逮捕された。

 ▼寒い拘置所の中でも、調べ室の入り口で必ず襟巻きをとる。机の前で姿勢を正し、伊藤検事の質問には、「毅然(きぜん)として迎合せず、必要なことは的確に述べ」たという。土光さんは不起訴になり、その後互いに心が通う間柄が終生続いた。

 ▼学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の証人喚問が昨日、衆参両院の予算委員会で行われた。籠池さんは、相変わらず能弁である。果たして「立派な証人」だっただろうか。

 ▼国有地取得や小学校認可をめぐる不可解な手続き、安倍晋三首相側からの寄付の真偽など、数々の謎の解明にはほど遠い内容だった。ただひとつ言えることがある。学校設立前に疑惑が発覚してよかった。子供たちが入学してからでは、あまりに気の毒である。

▼伊藤さんは、土光さんの質素な暮らしぶりにも感心していた。大会社の社長が、バスと電車を乗り継いで会社に通っていた。来信の封筒を裏返して、発信用に使っていた。メザシ1匹と大根葉のおひたしという、つましい夕食のおかずは、後にテレビで放映され、多くの国民を驚かせた。

 ▼実は土光さんは収入の大半を、母親の登美さんの設立した私立女子中高校につぎ込んでいた。自身も校長や理事長を務め、農業実習中の生徒らと畑仕事をする姿も見られた。登美さんは戦時中、国を救うために女子教育の充実を思い立つ。知人の家を一軒ずつ訪ね歩いて、資金を募った。政治家の口利きなどあるはずがない。現在は共学の中高一貫校となった橘学苑は、今年75周年を迎えた。