稲田防衛相が靖国神社参拝、就任後初「未来志向に立ち」

 

稲田防衛相の靖国神社参拝に際して、朝日新聞毎日新聞の報道が下記の如くです。

毎日新聞は、A級戦犯に触れた以上は、国民の意志によって(サンフランシスコ条約に基づいて)

これ等、刑の執行は無くなったと記すべきです。

 

稲田防衛相が靖国神社参拝、就任後初「未来志向に立ち」

相原亮

201612291042

http://www.asahi.com/articles/ASJDY2GLJJDYUTFK002.html

 

 稲田朋美防衛相は29日午前、東京・九段北の靖国神社に参拝した。参拝後、記者団に対し、安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾訪問に同行したことに触れ、「未来志向に立ってしっかり日本と世界の平和を築いていきたいという思いで参拝をした」と述べた。稲田氏の参拝は、8月の防衛相就任後初めて。

 稲田氏は「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝した」とし、「防衛大臣 稲田朋美」と記帳したと説明。玉串料を私費で納めたことも明らかにした。毎年の終戦記念日(8月15日)に靖国神社を参拝してきた稲田氏は今年、ソマリア沖で海賊対処にあたる自衛隊部隊の視察を理由に参拝を見送っていた。

 8月の防衛相就任を受け、参拝を警戒してきた中国や韓国の反発について、稲田氏は「いかなる歴史観に立とうとも、いかなる敵味方であろうとも、祖国のために命を捧げた方々に対して感謝と敬意と追悼の意を表するのは、どの国でも理解をして頂けるものだと考えている」と述べた。

 安倍晋三首相は29日午前、神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場で、記者団から稲田氏の靖国神社参拝について問われ、「ノーコメント」と答えた。(相原亮)

 

 

 

稲田防衛相

靖国神社を参拝 真珠湾訪問の翌日

毎日新聞201612290927(最終更新 12292048)

http://mainichi.jp/articles/20161229/k00/00e/010/169000c

 

稲田朋美防衛相が29日、東京・九段北の靖国神社を参拝した。8月の防衛相就任後初めて。2007年の防衛省の省昇格後、現役の防衛相の参拝も初めてとなる。稲田氏は27日(日本時間28日)に安倍晋三首相に同行して米ハワイ・真珠湾を訪問し、日本の真珠湾攻撃による戦没者を慰霊したばかり。中国や韓国はA級戦犯を合祀(ごうし)した靖国への防衛相の参拝に反発を強めており、各国との連携や防衛交流にも影響しそうだ。

稲田氏は「防衛大臣 稲田朋美」と記帳し、玉串料を私費で納めた。その後、真珠湾訪問の直後に参拝したことについて、「最も激烈に戦った日米が最も強い同盟関係にある。未来志向に立ち、しっかり日本と世界の平和を築いていきたいという思いで参拝した」と記者団に語った。



 また、靖国参拝に各国から否定的な反応が予想されることについて、稲田氏は「いかなる歴史観に立とうとも、祖国のために命をささげた方々に感謝と敬意と追悼の意を表することはどの国でも理解される。忘恩の徒にはなりたくない」と強調。首相は神奈川県茅ケ崎市内で記者団に「それについてはノーコメント」と述べるにとどめた。

 稲田氏は安倍政権発足後、行政改革担当相や自民党政調会長だった13~15年に終戦記念日(8月15日)に靖国を参拝した。一方、防衛相就任直後の今年はアフリカ東部・ジブチで海賊対処活動に当たる自衛隊部隊の視察日程を組み、参拝を見送った。【村尾哲】


 

 

 

 

「謝罪外交」から「慰霊外交」へ --- 長谷川 良

アゴラ 1/1() 16:31配信 長谷川良

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170101-00010008-agora-pol&pos=3

「謝罪外交」から「慰霊外交」へ --- 長谷川 良

「真珠湾を訪問した安倍首相」(20161227日、首相官邸公式サイトから)

今年(2016年)最後のコラムのテーマとしては不適切かもしれないが、「謝罪」と「慰霊(追悼)」について考えた。両者はその使用する状況も意味も異なるが、政治家が過去問題に踏み込む時、「謝罪」と「追悼」を意識的に使い分ける場合がある。積極的な外交を展開させている安倍晋三首相の外交は「謝罪外交」ではなく、明らかに「追悼・慰霊外交」と呼ぶべきだろう。

「謝罪」の場合、その言動に問題があったことを認め、それを告白し、犠牲者に許しを請う行為だが、「追悼」の場合、犠牲者への慰霊を主要目的としている。犠牲者と追悼する本人との関係はそこでは厳密には問われない。戦争や紛争で亡くなった人々への同胞愛からの発露が追悼であり、慰霊だろう。

安倍首相は旧日本軍の慰安婦問題については謝罪を表明しているが、真珠湾攻撃では謝罪ではなく、犠牲者への慰霊を表明してきた。オバマ米大統領は今年5月、広島の原爆被爆地を訪ね、犠牲者への慰霊を表明しているが、謝罪はしていない。

「謝罪」外交の場合、政治家は国内で強い抵抗に対峙するケースが考えられる一方、「慰霊」外交の場合、国民の納得が得られやすいという事情がある。「謝罪外交」は時間を止めて、一定の言動をターゲットに集中するが、追悼は生きている現在の立場から亡くなった犠牲者への呼びかけであり、死者との連帯感の表明だ。

安倍首相は広島でオバマ氏に慰霊を願い、オバマ大統領は真珠湾では安倍氏に犠牲者への慰霊を求めたわけだ。両者の外交を積極的に評価するとすれば、「慰霊」が未来志向であり、敵国だった相手国との和解を最優先とした言動だという点だろう。

慰霊といえば、宗教者の姿を思い出す。「慰霊」は本来聖職者の業だ。様々な事情、状況から犠牲となった多くの魂に対し、生きている人間が慰め、癒しの声をかけ、未来への良き世界を約束する歩みだ。「謝罪外交」が加害者と犠牲者という枠組に拘り、どうしても政治的やり取りが出てくるが、「慰霊外交」は癒しと許しを前面に出した宗教的行為に近い。慰霊には敵も味方もない。

時間を止めるべきではない。緩やかな動きだとしても、時間の動きに合わせ、過去を振り返り、現在を律し、未来のために歩んでいくのが現代人の役割だろう。

「慰霊外交」を進める安倍外交が欧州で注目されるのは、欧州が過去、戦争や民族闘争の舞台となり、無数の人々が犠牲となった地だったからだろう。「謝罪」を求め出したら、和解の道が閉ざされてしまう。過去を追悼し、慰霊する言動こそ21世紀の現在、最も必要なことだろう。安倍外交に欧州が注目する点は多分、そこにあるのはないか。日本が敵国だったロシア、米国、そして中国とどのような和解を実現させるか、欧州は安倍外交の行方に関心を注いでいるわけだ。

最後に、1年前の日韓両国間の慰安婦問題の合意について、韓国の世論調査では「破棄すべきだ」という声が高まってきたという(聯合ニュース日本語版)。同時に、韓国の市民団体が在釜山日本総領事館前に慰安婦被害者を象徴する少女像を設置することに、管轄自治体の釜山市東区が認めたというニュースが流れてきた。年明けから安倍外交の真価が問われそうだ。